なにもこんな時期に買わなくても、と注文してから思った。
迷うのに疲れた夜中、酔った勢いでよくこういう買い物をしてしまう。
アガベは、ある程度の大きさだと高嶺の花。でもここ四国ガーデンさんでは、実生幼苗は500円玉ワンコインプラスのお値段で、3号ポット7-8センチの株でも2-3コインプラスくらい。見計らい品やお任せセットもかなりお得感があり、気軽に手が出せる。
別格のチタノータ
最初にアガベを知ったのは去年の春くらい。街中の小さなグリーンショップ、多肉と観葉とドライフラワーのお店ながら、アガベ専門店と言えるくらいアガベが多い。ここのウィンドウに鎮座していたのが、チタノータのスペシャルなナントカの大株で、当時のお値段40万円(非売品かも)。日本に数株しかない、専門雑誌の表紙を飾るような逸品なんだとか。白い硬い髭みたいな鋸歯が幅広で、すごい迫力と40万に、恐れ入りましたとひれ伏す思いだった。
それで、チタノータという名前が頭の隅にこびりついた。ある時。クラウドファウンディングでちょっと応援したい企画があって、だから通常のマイ多肉予算よりかなり高めでも、目に飛び込んできたチタノータ覆輪をリターンに選んでしまった。
チタノータは実は一種類じゃなくて、そのあとにどんな名前が続くのか、姿形や鋸歯の美しさでも価格が異なる。このあたりがわかってきたのは大分後のこと。あまり覆輪にはお目にかかれないので、この種の相場がどれほどなのかがわからない。けれども、この大きさではもうあんな値段では買えない気がする。
外した子株も1年と2か月がたって、3号をはみ出す11センチほどに成長。

周りを見回してみると、特に人気の「チタノータ・ナントカ」といかつい名前がついたようなものは、幼苗でもゼロが一個多かったり。う~ん、なんというか。
アガベは成長が遅いから出荷まで時間がかかる。だから需要に追い付かなくて高い(と言われている)。カッコ良さを求めれば作りこみが大事で、人気者はさらに高くなる。環境に適した海外からの輸入品は、たとえ人件費が安くても輸入コストがかかる。特にアガベの中でも別格のチタノータ、どこまで高くなるのか、いつまで高値が続くのか。そのうち、オランダのチューリップバブルみたいになったり、はしないかな、さすがに。
にしてもアガベ好きは、エケベリア主体のタニラーとは少し違う匂いがする。盆栽好きに近いようだけれど、でも微妙に違う。マニアックで、スタイリッシュで、ストイックで。これらに何かもう一つ二つ違う要素が混じったような。
お手頃 お気楽 アガベの幼苗
注文が25日、27日に遅滞なく届いた。いつもながらの実に完璧な梱包。土付きのポットがビニール袋と新聞紙で布団巻きにされ、段ボールにはポットの隙間なく新聞紙が詰め込まれ、これら全体が段ボール箱の内壁にガチガチにテープで止められている。揺れても、さかさまにしても動じないんじゃないか。だから取り出して梱包をはずすのに結構時間がかかる。

購入したのは前から欲しかったホリダの小苗3号ポット、同じくマクロアカンサの幼苗2号、シディゲラホワイトストライプの小苗2号、そしてチタノータブルーの幼苗2号×3株セット。全部実生なのかな。今回もしっかりと水やりされた状態で届いた。
ブルーは、人気のブラックアンドブルーとか白鯨とは違う系統らしく、葉が細長くて鋸歯もおとなしめ、らしい。それでお安いのかも。3個セットを選んだのは、実生だと顔つきが色々だというので、どれくらい違う個体に育つのか見てみたかったから。アガベの幼苗は双葉の重なりで、ある程度たたないとロゼット状に葉が展開しない。
といっても一年もすればけっこうに育つ。高級な完成株を手に入れるより、育てる楽しみが私的には大きい。いずれも耐寒温度が-1℃~-5℃と、我が家のベランダで育つ種類。あ、幼苗小苗のうちは室内に取り込んだほうが良いね。
これは実生抜き苗の幼苗から1年2か月のデュランジェンシス、24センチ。覆輪チタノータのオマケにいただいたもの。ぐいぐいとすごい速さで大きくなった。19年9月実生と札にある。もうすぐ3歳。

四国ガーデンで2021年6月に購入したチタノータ(ブルー?)当時3号鉢でツーコインだった。
今や4号をはみ出る16センチの大きさに。二回りくらい大きくなった感じ。

というように成長の速度もそれぞれで、幼苗育成がなかなか面白い。
Titanota の発音について
なぜか私はチタノータと覚えてしまった。でもネットでもショップでもチタノタと呼ぶ。違和感あり。
海外の呼称がそのまま日本語になると、なぜか語尾にあるアクセントが語頭に移ったりする。たとえばTiramisù。イタリアではご丁寧にアクセント記号が付いていて、ティラミスと語尾を強く発音する。日本ではなぜかティラミスが定着してしまった。カタカナ書き言葉を自然に日本語読みした結果だろうか。
アガベはメキシコ原産なので、Titanotaはスペイン語のはず。Google翻訳で発音を確かめると、ティタノータと聞こえる。四国ガーデンではネット上の表記はチタノタだけれど、ネームプレートにはティタノータとプリントされていた。
参考サイト
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