名無し多肉も調査や検索が可能
最初のころ、近所の農家直販所で名無し苗を良く買った。3号ポットで128円。エケベリアはプリドニスと高砂の翁、ルブラくらいで、センペルビウムはパシフィックナイト(たぶん)一種のみ。あとは月兎耳とか、火祭りとか、朧月とか。名前はホムセンで見かけたり、ネットで調べたり、手持ちの本をパラパラしていて判明。ほとんどが名の知れた普及苗だった。
どれも元気で、驚くことにここで買った苗では脱落株が一つもない。日本の気候になじんで生き残ってきた強い種類だからだろう。しかもしっかり根の張った中サイズポット苗。でも、ダメにならない理由にはもう一つ、名前で育て方や特徴を調べられたこともあったと思う。
名前が覚えられない、名前なんかわからなくても可愛ければ良い、という友人がいる。私はといえば、できれば名前を知りたい。名前の付け方も興味深いし、名前と結びついて初めて、一つの個体として認識できる気がする。
名無しというけれど、単に札落ちでわからなくなっているだけで、本来名前は全てにある(雑草にだって)。新種を発見したり交配で作り出したりすれば、必ず新たな名前が与えられる。その名前を失ってしまうのは、どこにも帰属できずにさまよっているような感じで、心もとなく落ち着かない。
名前の検索には PictureThis というアプリも便利。スマホで写真を撮るとあっというまに調べてくれる。的中率は普及の度合いに比例しているようで、たまに絶対違う! という結果もあるけれど。
ネットではカクトロコさんの多肉図鑑にお世話になった。属名や特徴から探すことができる。私は暇なとき全部をパラパラと眺めていて、あ、これはあれだ、と判明することが多かった。名前を探すだけでなく、[紅葉が美しい品種]とか、[夏場の暑さ・蒸れに強い品種]とかでも検索でき、初心者にはありがたかった。
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名無しエケベリア(の新種)は名前検索が難しい
3月と4月に、ネットで寄せ植え用名無し小苗セット(エケベリア)を買った。寄せ植えなら名無しでも気にならないかと、二度にわけて三セット購入。全部で30苗。単価は150円。
寄せ植え風に、でもゆったりとまとめ植えしてみた。大きくしたい気持もちあった。送料無料の第4種郵便で、届いたときにすでにダメになっていた苗が一つ。今数えてみたら残り25コ。現時点でダメになりかけが2株。
2割がダメになるというのはかなりの確率だ(今年の我が家は2~3%くらい)。2センチほどの小苗の抜き苗で、根がしっかり張る前に暑くなったから、というだけではやはりない。他の名ありジュレとの違いは、いなくなってしまった苗の顔を思い出せないこと。いなくなってしまったがっかり感もあまりない。

この名無しをまとめた陶器鉢は、目の届きにくいところに押しやられていた。目が行かないということは気持ちが行かないということ。こうやって書き始めて思い出して久しぶりにまともに見て、かなり進行したジュレを発見したという次第。申し訳ない。
と名無しっ子にはイマイチ愛着がわかないことを自覚しつつ、先日また購入してしまった。友人が赤い種類が欲しい、と言っていたこともあって。販売会のブッフェ多肉。一個300円で一人5個まで。
PictureThis で写真検索してもアガボイデスとしか出ない。アガボ系というのは検索しなくてもわかるってば。

エケベリアは交配種や新種も多く、似た顔が多い割に季節によって顔つきが変わる。徒長すれば皆同じになったりもする。しかも寄せ植え用とブッフェ苗は共に韓国苗を多く扱う生産者のもの。よほど特徴がない限り、札落ちの名前はわかりにくい。今回の5種に寄せ植え用30種、名前がわかった苗は一つもない。
それでも陶器鉢をしみじみ眺めてみれは、中に一株、元気に大きくなっているアガボ系がいる。新顔5種もちょっと変わった色合いで、秋になればもう少し個性を主張してくるだろう。そうすれば似た顔も見つかって、勝手にみなし名で呼べるようになるかも。
ブッフェ5苗はそれぞれ独立した鉢に植えてみた。名無しとはいえ、おまかせではなく好みで選んだせいか、愛着が湧いてきた。どう育ってくれるのか楽しみでもある。枯らし名人の友人には、活着と元気を確認してから進呈しよう。
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