センペルビウムは似た子が多い–タックルキールとミッドナイトローズ

2019年のいつごろかもうはっきり覚えていないいつか、初めて買った多肉がセンペルビウムのタックルキールだった。ずっと名無しだと思っていた。センペルビウムという属の名だけ記された札。背面は購入した園芸店の名前だと思い込んでいた。

子株がいくつか出てきて株分けし、成長を楽しみにしていたらある日どんどん外葉が枯れてきて、理由がわからず途方に暮れた。なにせ多肉は初めてで水やりもよくわからず、外葉は枯れていくものだということも知らず、結局ほとんど枯らしてしまった。

かろうじて残った小さな株を、ダメ元で植え替えてはみた。けれどもあまりに頼りなく貧相で、こりゃだめだと内心あきらめていた。で、もう一回買おうと思った2021年の春、購入した園芸店はなくなっていた。仕方がない、ネットで似た写真を探した。そのとき選んだのがミッドナイトローズである。購入後、あきらめていた子株も生きていることが分かった。その時のタックルキールと、早くも二代目ミッドナイトローズ。比べると似ているけれど、やっぱり違う。

タックルキールとミッドナイトローズ
タックルキールとミッドナイトローズ(22/07/20)

 

このとき、10個ほどまとめてセンペルビウムを購入。エケベリアなど全く興味がなかった。センペルだけで行くつもりだった。それが今やセンペル30種余りに対してエケベリアは4倍以上。いつのまにかベランダは、小株から20㎝超のデカ株まで、個性豊かで華やかなエケベリアに占領されてしまっていた。

それが先日、開いて緑色でノビノビとはしているものの、個性も華やかさも放棄して暑さをしのいでいるエケの合間に、きれいなムラサキ色で涼しい顔をしているセンペルを発見。それがタックルキールとミッドナイトローズだった。

やっぱり好きだなあ、センペルビウム。丈夫でわりと管理が楽だし。今年は一部雨ざらしで水飛ばしもせず。なのにほとんど痛みがない。ジュレも葉焼けもエケに比べてずっと少ない(皆無ではないが)。年間通して割と赤い種類もあって、形の崩れも少なく、寄せ植えにもとっても具合が良い。

雨の吹き込む軒下のセンペルビウムたち(22.07.20)
雨の吹き込む軒下のセンペルビウムたち(22.07.20)

 

でも、なんで人気がない(個人的見解)んだろう。

  1. 見栄えが地味。カンテみたいなドヤ顔は皆無。
  2. 似た顔が多く、際立つ個性がない。”センペルビウムの女王”なんて聞いたことが無い。
  3. 人気がダントツのエケベリアゆえ、生産者も韓国苗輸入販売業者も、タニラーユーチューバーも多く、ネット上でも多肉販売会でも広く目にする。対してセンペルビウムは目にする機会が少ない。
  4. エケベリアはどんどん交配で新種が生まれ、紹介され、購買欲が尽きない。対してセンペルは似た顔が多いこともあり、一定数を保有した後は所有欲&購買欲が刺激されない。
  5. 丈夫でダメになりにくく、ホムセン等でリーズナブルに手に入るため、希少性、つまり”ありがたみ”が少なく、タニラーの所有欲がくすぐられない。センペルビウムに気難しいルノーディーンはいない、ということ。

こんなところかなあ。

エケベリアの面白さは分かる。だからの私も4倍なんだけれど。でもモケモケや糸巻もあるし、紅葉のグラデーションも美しかったり、赤い爪がかわいかったりするセンペルもいて、群生した鉢はとっても存在感があって見ごたえがある(我が家にはこのクラスはまだいない)。

私的には地味なところが魅力だと思っている。ヨーロッパ高地の洗練というか。色イメージでいうと蛍光ピンクじゃなくてシックなワインレッド。抑えた大人色。

センペル図鑑も充実したこんなサイトもあることだし(でもあんまり動きがないような…)、素敵なセンペラーをさがしてみよう。

succulents.jp >Sempervivumの育て方

 

2021年3月28日 まだ多肉棚もない頃
生きていたタックルキール 中央右端
生きていたタックルキール 中央右端

エケベリアはルンヨニー、いきなりルノーディーンその他3-4個だけだった。今思うと全部薄葉。

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